3DプリンターのABSの反りを減らす対策方法

2014年3月8日 (3Dプリンター)

家庭用の3Dプリンターで出力する場合、多くはPLAとABSが主流かと思います。
PLAに比べてABSヤスリがけやアセトンを使って積層を目立たせなくすることができるため、
ABSを利用されている方が多いと思います。

しかしPLAと比べると収縮率が高いため、反りが発生してしまい綺麗にプリントすることが難しいです。

今回はそんなABSの反りに対して僕が行った対策方法をご紹介したいと思います。

ABSが反る仕組について

そもそも何でABSが反ってしまうかというと、フィラメントを溶かして積層させた後、
温度が常温に戻るときに「収縮」が怒ります。

abs反り対策a

まず一層目が冷えた時点です。この1層目が冷えて収縮した状態です。

abs反り対策b

一旦冷えきってしまえば、それ以上の収縮は起こりませんが積層して3Dプリントする以上
冷えた層の上に再び熱いABSフィラメントが乗っかってきます。

そのため1層目も2層目の収縮に引っ張られてしまいます。

abs反り対策c

同じように3層目が乗っかってきて更に収縮していき、しだいに台座との接着力が
収縮する力に負けて台座剥がれてどんどん反りが発生していきます。

反りを減らすには?

基本的に材料の特性上、収縮してしまうのでこれをなくすことはできません。
ただ、できるだけ反らないようにする対策方法はいくつかあるのでそれをご紹介したいと思います。

テーブルから剥がれないようにする

3Dプリントした造形物が反らないようにするために1つの方法は、
テーブルからできるだけ剥がれないようにすることですが、この方法は

  • 台座との設置面積を増やす
  • ヒートベットの温度を上げる
  • 台座との接着力あげる

の3つの方法があります。

台座との設置面積を増やす

台座から剥がれてしまうのは、収縮力に台座と接着する力が負けてしまうからなので、
接着する面積を増やしてしまうことで反りを抑えることができます。

abs反り対策k abs反り対策l
これは以前にペットボトルを蓋をはめるための口の部分を印刷したものですが、
左のものは台座との設置面積が少なく完全に丸みを帯びた状態になってしまっています。
(ここまで丸くなったのは1層めの接着が悪かったこともあります。)

右のものは設置面積を広げ、厚みも薄くしたことで反りが低減しています。

ただ3Dプリントするデータをそのまま変更してしまうのは問題なので、

  • brim、raftをつける方法
  • Helper Disksをつける
・ブリム(ラフト)をつける方法

brimは、造形物の周りにつくスカートみたいなものです。

abs反り対策f
通常のスカートはオブジェクトと離れた外周にテスト印刷するためのものですが、

abs反り対策g
brim・raftはそのままオブジェクトにくっつきます。そのため印刷する造形物のテーブルとの接地面積が増えて
反りを低減させることができます。

slic3rでbrimをつける方法

abs反り対策d
slic3rでbrimをつける方法は、「print setting > Skirt and brim」の画面の「brim width」ところで設定できます。
ここにオブジェクトから何ミリbrimをつけるかを決めれます。
何を3Dプリントするかにもよりますが、概ね5mm程度あればしっかり接着してくれるんじゃないかと思います。

kissilcerでbrim・raftをつける方法

abs反り対策h
kissilcerではbrimは、「suport > raft」のところで設定できます。
brimの太さは「Inflate Raft」の部分で変更できます。

・Helper Disksをつける

こちらの方法は四角形の角が浮いてしまうようなときに有用な方法なのですが、

abs反り対策i
こんな感じで角の面積を広げてしまって接地面積を広げてしまおうということなのですが、
slic3rやkisslicerの無料版では2つのオブジェクトを重ねてスライスすることができないので、
丸い板をくっつけた状態でSTLに書き出しをしなければなりません。

Makerbot社のmakerwareであれば重ねてスライスすることできます。

こちらに詳しい記事がのっています。

ヒートベットの温度を上げる

ABS対応と謳っている3Dプリンターはほとんどヒートベットがついていて台座の温度を上げることができると思います。
テーブル温度を上げることで造形物との接着力を高めて剥がれないようにするためです。

また急激に温度が冷えないので瞬間的にいっき収縮することを防ぐことができるので剥がれにくくすることができます。

ちなみに僕は、ABSだとだいたい85~100度くらいの温度で設定しています。

台座との接着力あげる

反りに負けない接着力をつけるため、カプトンテープなどを張ったりすることで
接着力を強くすることができます。

テープを張る以外にも、ヘアスプレーを台座に吹きかけることで粘着力を上げることができるほか、
接着剤を使うことで反りを低減することができます。

接着剤の場合は一度オブジェクトが剥がれてしまった部分に塗りつけることで印刷途中にリカバリーできるようです。

こちらの記事でタミヤセメントを使ったリカバリの方法が紹介されています。

 

今回は台座との造形物を接着力を強くすることで反りを低減する方法をご紹介させていただきました。