光造形(SLA)と熱溶解(FDM)、どちらの3Dプリンターがいいの!?

2015年3月20日 (3Dプリンター)

現在、低価格な3Dプリンターといえば樹脂を溶かしながらプリントする熱溶解(FDM方式)
と呼ばれるタイプのものが主流です。

しかし去年、液体の樹脂をレーザーで硬化する方法の特許が切れたことで
低価格帯な光造形(SLA方式)の3Dプリンターも販売され始めています。

低価格帯の3Dプリンターに光造形方式のものが加わったことで
熱溶解方式(FDM)光造形(SLA)どちらの3Dプリンターがいいのだろう?
と考える方も少なくないのではないでしょうか。

今回はそんなFDM方式とSLA方式の家庭用3Dプリンターを比較してみました。

FDMとSLA、印刷が綺麗にできるのはどっち?

一般的に低価格な3Dプリンターの積層ピッチは、FDM方式のもので最小0.1mm程度のものが多く、

SLA方式のものだと最小ピッチ0.025mm程度です。

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基本的には1層ごとの厚みが薄ければ薄いほど段差の目立たない
綺麗な形状を作り出すことができます。

なので基本的には光造形(SLA)のもののほうが、滑らかで綺麗なものを印刷できるといえます。

業務用SLAと家庭用FDMを比べてみました

FDMとSLAの3Dプリンターの比較a

参考用に、家庭用のFDM式3Dプリンター業務用の光造形(SLA)3Dプリンター
出力したnana足を比較してみました。

左がFDM方式の家庭用3Dプリンターでサポート除去後の写真。

右側は業務用の光造型機で出力したのち磨いた後、サーフェイサーを吹いています。
(印刷直後の写真は撮り忘れてしまいました。。)

低価格なSLA方式だとここまで綺麗に出力するのは難しいかもしれませんが
基本的には、細かい形状などは光造形(SLA)のほうが出しやすいです。

見た目の綺麗さやディテールを求める場合、低価格なものとはいえ光造形(SLA)の3Dプリンターに分があると思います。

材料の違い、物性や強度について

FDMの場合

FDM方式の3Dプリンターに使うことができる材料は比較的豊富で
中には、金属を含むフィラメントなんてものも販売されています。

FDM方式の3Dプリンターに使うことができるABS樹脂なんかは
量産品でもよく使用される材料で、追加工のし易さや、強度などの面で優れた物性を持っています。

ABSライクのような相当品ではなくABSそのものを使用できるのは大きなメリットだと思います。

SLAの場合

一方、SLAで使用することができるのはエポキシ系の樹脂です。

エポキシ系樹脂は紫外線に弱いので印刷後に黄色く変化してしまったり
耐熱性や対衝撃性にも弱いです。

観賞用や形状確認として3Dプリントするのであれば
あまり問題にならないかもしれませんが
iphoneケースなど日常で使用するような物や
ある程度 耐久性が求められる物を印刷するにはあまり向きません。

FDMとSLA、3Dプリントにかかるランニングコストの違いは?

FDMの場合

FDMにつかう主な材料はABSとPLAです。
この2種類だと大体1kgで約3000円~6000円程度で販売されています。

金属を含むをフィラメントやゴムのようなフィラメントなど特殊ものは
少し値段が高くなります。

SLAの場合

SLAに使う材料は紫外線硬化するエポキシ系の樹脂です。

こちらの場合は1リットルで約15000円~25000円程度です。

ABSなどと比べるとエポキシ系樹脂は元々高価なので
印刷コストは光造形(SLA)のほうがかかってしまいます。

その他の消耗品のことなども考慮しても、ランニングコスト的にはFDM方式のほうが安いと思います。

材料の取り扱いについて

FDMの場合

材料の保管方法についてですがFDMで使うABSなどのフィラメントは
ある程度、適当に保管しておいてもとりあえずは使えます。

ただし湿気を吸って折れやすくなったり、印刷品質が落ちてしまったり
するので、湿気対策などは必要です。

SLAの場合

一方SLAにつかる液体樹脂は紫外線で硬化してしまうので保管方法は
光のあたらない所に保管するなどの注意が必要です。

また印刷後は結構ヌルヌルしていてアルコールで洗浄する必要があったり
廃液処理などもあるので、材料の取り扱いについては若干注意が必要になります。

FDMとSLAは用途に合わせて選択

写真なんかで印刷されたモノだけをみてしまうと、
光造形(SLA)プリンターで印刷したモノのほうが綺麗なので
FDM方式よりも“良い3Dプリンター”のように思ってしまいそうです。

実際のところは、どちらの方式にもメリット・デメリットがあります。

FDMSLA、どちらの3Dプリンターが良いのかは
「どういった目的で3Dプリンターを使いたいか」によると思います。

個人的にはフィギュアやアクセサリーなど細かい形状が必要なものを
出力したい場合は、SLA方式を。

ケースやギアなどある程度耐久性が必要なものを出力したい場合には
FDM方式での印刷するのがいいのではないかと思います。

光造形(SLA)と熱溶解(FDM)、どちらの3Dプリンターがいいの!? への返信2件

  1. Aiko の発言 (2016年6月30日)

    読ませていただきました!!私もやはり用途に合わせて選ぶのが1番のポイントだと思います。

    SLAは基本的に手入れや調整などもFDMより煩雑なので、必要性に迫られない限りおすすめしないです。

    FDM, SLAのどちらにせよ、「用途に合っているのか」の次にはマシンの価格に関わらず「信頼性」がとても大事だと痛感しております。
    様々な種類がある上に、高ければいいものでもない、マーケティングが上手いから高性能というものでもない、というのが選ぶ側を混乱させてしまう3Dプリント市場の現状なのですよね><

    他の記事も楽しみにしております!

    • コメントありがとうございます。

      たしかに信頼性は大切ですよね。
      3Dプリンターは、「工作機」なのでメンテナンス等、使う側にある程度は技術が求められてしまいますね。
      家電のように誰でも簡単に!というレベルにまで達してくれると嬉しいですね。

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